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赤ちゃんのアトピー肌を診て気が付いた

皮膚がカユク、赤くなり、引っかき傷ができているアトピー性皮膚炎の肌。

その症状は肘の内側、膝の裏側、首の前側など、皮膚が折れ曲がる内側に出るので、私は皮膚同士のこすれが原因だと思っていた。

こすれて、皮脂がなくなり、表皮が露出し、防衛膜が壊れる。
そして過敏になってカユクなり、引っかくから更に防衛膜が壊れ、
またも過敏になってカユクなり、引っかくから更に・・・・
そういうエンドレスな症状だと思っていた。

ところが、赤ちゃんのアトピー肌とお付合いして気が付いた事がある。

この赤ちゃんは顔のほっぺが真っ赤で、肘の内側や膝裏、足首が乾燥してガサガサだった。カユクて足首同士をこすり合わせている、という。

小児鍼で身体を調整していると、数週間後に顔のほっぺの真っ赤が引いてきたので顔のステロイドは止める事ができた。そしてご自宅でスキンタッチをしてもらい、だいぶ調子が良くなってきたと思ったら、足首の乾燥ガサガサがなくなり肌にしっとり感が出てきた。ステロイドは相変わらず使っているとおっしゃるが、このしっとり感は以前には無かったものだ。明らかに変化している。それも良い方向に。

それはある事を加えてから変化している。

さて、私が気に留めたのは足首のガサガサしている「場所」である。ツボでいうと中封あたり。中封は足首のシワの前側にあり、内側寄りの所だ。なぜここだけがガサガサなのか・・・?

肘や膝は屈伸すると皮膚が擦れるので皮脂膜が取れて、防衛膜が壊れ、過敏になって、カユクなり~~ となるが、中封は足首を曲げても皮膚同士が擦れたりしない。
(足首同士でこすっているとママは言っていたが、そんなにしょちゅうこすっていないのだ)

私はこの赤ちゃんの足首の向きでピンときた!
その向きは内反と言って、捻挫したように足のつま先が内側を向いている。この形になるには前頚骨筋の緊張(つまり筋肉が凝っている)が必要だ。さっそく赤ちゃんの前頚骨筋を触ってみると、硬く張っている所を発見。そこで、その緊張を取る治療をして、お家でもそこを重点的にスキンタッチしてもらった。すると翌週、足首の皮膚にしっとり感が生まれていたのである!前頚骨筋の緊張を確認すると、筋肉がゆるんでいた。

筋肉のコリが血流を滞らせ、皮膚の栄養がスムーズに運ばれなかったに違いない、と考えた。

それから、大人のアトピー肌にもこの考えを元に治療してみた。
あるアトピーの大人の方は肘の内側がアトピーでカユイ。ここにアトピー症状がでている時は、肘のツボ(曲池・きょくち)が硬くなっており自宅灸を感じない。反対に曲池が軟らかい時は肘の内側のアトピーが消失している。

そこで硬い肘の周りを鍼でゆるめて、すぐに曲池に自宅灸をしてみると熱感を感じるとおっしゃる。大人もやはり、アトピー症状の出ている場所と関連する筋肉のコリをほぐすと良いらしい事が分かった。

今後しばらくはアトピー性皮膚炎の治療と経過がマイブームでしょう。

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