腸回転異常症(1)
患者さんの許可を得て書いています。
腸回転異常症を持っていたお子さんを拝見しています。
腸管は胎児期に回転しながら正常な位置に移動し、そして固定されます。
しかしこの回転がうまく行かないために起こる腸管の症状を「腸回転異常症」と言います。
症状は嘔吐、腹痛、腸閉塞や血行不良による腸管壊死などですぐに手術などの治療が必要な場合があります。
開腹手術をすると傷が治るために組織と組織がくっ付いて傷が治ります。これは「瘡傷治癒」といって癒着の1つです。この時に本来くっついていない組織がくっつく事があり、それを癒着と言います。
癒着は開腹手術の90%に起きるといわれており、腹痛や腸閉塞を起こすことがあります。これらの症状を起こさないためには腸管が蠕動運動によって腸の内容物の流れを良くし、便秘をしないことが予防になります。
このお子さんは産後すぐに開腹手術をして腸を正常な位置に固定したそうです。開腹手術は2度行っています。毎日エックス線でお腹の様子を見ていたそうで、お母様は生まれてすぐの赤ちゃんの度重なるエックス線にそうとう心配されたそうです。
現在は経過観察のため病院に定期的に通院しています。
私が最初に拝見したときはお腹の蠕動運動の音がほとんどなく
お家では便秘のために浣腸をしていました。
小児鍼の治療をして、最後にお腹の音を聞くと
きゅるるるる~~♪ と良い音がしました。
こんな状態が4回続き
小児鍼5回目ではついに治療前にお腹が動いている音がしていました!
やったあ~~!!
腸管の蠕動運動が良いリズムにのっているのです。
そしてその5回目の日は、お子さんから今までに感じたことのない明るいものを感じ、
太陽の子のイメージそのままでした。お母様に聞くと
「そういえば昨日は久しぶりに1度の排便ででっかいものが出ていました。
だいたい2~3回に分けてしか出ないのでそういうタイプだと思っていました。
お腹の皮のいつも張っているのがこの何日かはシワができて柔らかくなっていました」
とのこと。
2回の開腹手術によるお腹の傷で、つっぱった皮膚も柔らかくなってきたのでした。
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